全長15メートルの自律型無人船が、1620年の歴史的なメイフラワー号の航海を再現するため、英国から米国まで約3,000マイルの航海を開始した。
17世紀にイギリスから現在のアメリカ・マサチューセッツ州まで100人以上の乗客を運んだ船、メイフラワー号にちなんで名付けられたメイフラワー自律航行船(MAS)が今週出航した。火曜日の午前4時(UTC)に海辺の都市プリマスから出航し、計画通りに進めば数週間以内にアメリカのマサチューセッツ州プリマスに到着する見込みだ。
メイフラワー号は、海事関連の非営利団体PromareがIBMの技術支援を受けて建造し、今回の航海に備えて昨年9月から航行・航行能力の試験を行ってきた。2.5海里以内の物体を検知するレーダーと、物体認識システムに接続された複数のカメラを搭載している。この機械学習ソフトウェアは、貨物船、漁船、そして海上に浮かぶ輸送コンテナを識別するように訓練されている。
ロボットメイフラワー号出航… 出典: IBM
この船には、他の船舶の重量と速度を予測し、潜在的な危険を回避するためのソフトウェアも搭載されています。GPSユニットはメイフラワー号が航路から大きく外れないように監視し、コンピュータシステムは航行中に気象条件を考慮するようにプログラムされています。重量4,535キログラム(5トン)のこの船は、最高速度10ノット(秒速5メートル強)に達することができます。
「地平線上の危険をスキャンし、情報に基づいた判断を下し、ライブデータの融合に基づいて進路を変更できるメイフラワー自律船は、17世紀の同名の銀行よりも現代の銀行との共通点が多い」とIBM UK & IrelandのCTO、アンディ・スタンフォード=クラーク氏は今週語った。
「最も厳しい状況でも航行を続ける能力を備えたこの小型船は、21世紀のあらゆる志あるビジネスにとって縮図となる。」
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メイフラワー号は太陽光発電とバッテリーに依存しており、様々なAIソフトウェアを実行するための様々なハードウェアを搭載しています。これには、Intelプロセッサを搭載したコンピューター4台、NVIDIA Jetson AGX Xavier GPU 6基、NVIDIA Jetson Xavier NXボード2基、その他カスタムチップ数個が含まれます。万が一電力が供給されなくなった場合に備えて、ディーゼル発電機もバックアップとして搭載されています。
メイフラワー号は研究船です。自律航行技術の試験を行うだけでなく、マイクロプラスチックや藻類を調査するための水サンプル採取や、クジラなどの海洋哺乳類の音を聞き取るための科学機器も搭載されています。
メイフラワー号の航海の様子はここで確認できます。®