欧州宇宙機関は、軌道上の爪を使って古いロケットの破片を掴み、爪とゴミの両方を燃え盛る破片へと引きずり込むことで宇宙ゴミを処分する計画を正式に発表した。
同局は2019年後半、スイスのスタートアップ企業ClearSpace社にミッションの全容解明を依頼したことを明らかにし、この計画を発表した。
書類作成は3月までに済ませ、ESAの閣僚理事会の支持を得て、同ミッションの資金として8,600万ユーロの契約を承認した。
目標は同じだ。2013年にESAのVegaロケットが打ち上げられて以来、軌道に乗っているVESPA(Vega Secondary Payload Adapter)をClearSpaceのジャンク・グラビング・クローで迎撃することだ。
ClearSpaceの衛星がVESPAを包囲する想像図。画像提供:ClearSpace SA
アダプターの重量は112kgで、ESAによると小型衛星とほぼ同じ大きさだ。クリアスペースの爪がゴミの塊を掴むと、両者は大気圏への熱いデートへと突き進む。あまりの高温のため、どちらも生き延びることはできないだろう。
たとえこの2人の短い関係が悲惨な結末を迎えるとしても、人類が宇宙に残しておきたいと願う物に悲惨な別れをもたらす前に、他の愛されていない軌道上の物体を回収するチャンスを人類に与えることが期待されている。
ESAの契約発表によると、8,600万ユーロはミッション費用の一部しか賄えないとのことだ。ClearSpaceは、宇宙ゴミ回収事業を目指す中で、残りの資金を調達することになる。®