コメント大手タバコ会社が全顧客に禁煙を促すキャンペーンを発表するなど、世界はまだ受け入れる準備ができていないのかもしれない。10月に英国のデイリー・ミラー紙に掲載されたフィリップ・モリス・インターナショナルの4ページにわたる広告に対し、英国がん研究財団(Cancer Research UK)は「とんでもない偽善だ」と非難した。「フィリップ・モリスが本当に人々の禁煙を支援したいのであれば、最善の策はタバコの製造をやめることだ。しかし、それは実現しないだろう」
少なくとも近い将来は、そうではない。フィリップ モリス インターナショナル(PMI)は、不完全な改心を遂げた「悪のタバコ王」としての罪を償うために、企業自殺を図る可能性は確かにあるだろう。しかし、タバコの需要がある限り、その影響はゼロだろう。むしろ、マイナスの影響さえあるだろう。
大手タバコ会社は、将来の有望な市場として電子タバコにも期待を寄せつつも、依然として存続するだろう。たとえ彼らが全員タバコをやめたとしても、他の多くの企業が参入する準備はできているだろう。禁酒?まあ、どうなるかはご存じの通りだ。
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近年、喫煙は減少傾向にある一方で、ベイプや電子タバコといった代替製品の使用が増加しています。これら2つの傾向は少なくともある程度は関連していますが、後者の増加が前者の減少に完全に起因していると断言するのは無謀でしょう。これは、米国食品医薬品局(FDA)のスコット・ゴットリーブ長官の見解とは全く異なります。ゴットリーブ長官は、10代の若者の間でベイプ製品の蔓延が進んでいると警告しています。
そして今月、米国公衆衛生局長官のジェローム・アダムス氏は、「過去1年間で若者の電子タバコ使用は流行病並みの勢いで急増している」と警告し、過去1年間で高校生による電子タバコ使用が75パーセント増加したとするFDAの調査を引用した。
9月、FDAは電子タバコ企業に対し、10代および未成年者への製品販売を停止する計画を60日以内に提出するよう命じました。これに続き10月には、FDAが規制方法を検討している間、電子タバコ製品の販売を許可する例外規定に違反していないことを示すよう求める警告書を21社に送付しました。FDAはまた、市場リーダーであるJuulのサンフランシスコ本社を抜き打ち検査し、数千ページに及ぶ文書を押収しました。
FDA(米国食品医薬品局)をはじめとする世界中の規制当局は、電子タバコや代替タバコ製品、特に電子タバコの件で油断していた。極東から安価な機器を大量に輸入し、魅力的なニコチン入りリキッドを各種製造し、ウェブサイトを立ち上げれば、さあ、電子タバコの会社だ。規制当局は、あの件の後、行動は好調な大手5社を確かに取り締まることができるだろうが、残りの企業への対応は、まさにモグラ叩きのような作業になりそうだ。
米国では、FDAは当初、電子タバコが禁煙に役立つという考えに好意的だったが、今では10代の若者による全く新しい市場を懸念している。そのため、期限が設定され、警告書が発行され、Juulへの強制捜査が行われ、11月にJuulはフレーバー付き製品を店頭から撤去した。
今後の展開は規制当局次第だ。規制は設けられるだろうし、従来のタバコ市場に対しても同様に厳しいものになる可能性も十分にあり、公衆衛生局長官もその方向に傾いているようだ。しかし、禁止は現実的ではないだろう。規制当局は、これらの製品が人々の禁煙を促す上で有用な役割を果たすことを概ね認めている。
ビッグ5には、まさにこの点で優位性がある。広く非難を浴びているにもかかわらず、長年にわたり、多くの科学者、ロビイスト、弁護士を擁してきた。FDAとの交渉は数十年にわたり続けており、その歴史から、清廉潔白である必要があることを熟知している。少なくとも、いまだに棺桶の釘を売っているような時代には、できる限り清廉潔白でなければならない。
PMIはタバコ会社ですが、皆さんが想像するような会社ではありません。かつてはフィリップモリスの国際部門でしたが、2008年に親会社であるアルトリアによってスピンオフしました。アルトリアはフィリップモリスUSAを所有しており、同社は依然として実質的にタバコ会社ですが、以前からJuulを狙っているとの噂が流れていました。ところが、12月20日、アルトリアはJuulの株式35%を取得するために、約130億ドルを投資することに合意しました。
アルトリアは最近、カナダのマリファナ企業クロノス・グループの株式45%を24億ドルで取得しました。マリファナはカナダでは娯楽目的での使用が合法ですが、米国のいくつかの州では合法化されているものの、連邦法では依然として違法です。アルトリアの考え方については、こちらをご覧ください。
PMIはスイスのローザンヌに本社を置き、ヌーシャテルの名を冠した湖畔に400人以上の科学者と研究者を擁する大規模な研究開発センター「キューブ」を運営しています。このセンターは、現在も紙巻きタバコを生産している既存のタバコ工場の隣に建設されましたが、PMIの加熱式タバコ製品「アイコス」も製造しています。
PMIは米国で製品を販売する認可を受けていませんが、現在FDAに2つの申請を提出しています。1つはリスク低減タバコ製品(MRTP)認可、もう1つは市販前タバコ申請(PMTA)です。
MRTP申請は2016年に提出され、PMTAは1年前に提出されたと、PMIのグローバルコミュニケーション担当ディレクター、トマソ・ディ・ジョバンニ氏はThe Registerに語った。MRTP認可により、PMIは消費者に対し、自社製品におけるリスクや曝露の低減について通知できるようになるため、FDAが納得するレベルでその事実が証明されなければならないのは明らかだ。
ここでキューブの科学者たちの出番となる。科学・広報担当副社長のモイラ・ギルクリスト氏は、タバコ会社の科学者の発言には明らかに信頼性の問題があるとし、同社は「完全な透明性」を保つことでこの問題に正面から取り組んでいると述べた。
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元製薬会社のギルクリスト氏は、その目標は「製薬会社と同じように(製品)を開発・評価すること」であり、査読付き論文を発表し、PMIの成果を再現・検証するよう人々に呼びかけることだと述べた。これらの論文は通常、従来のタバコ製品に比べて毒性物質が大幅に減少していることを示しており、英国、ドイツ、オランダの最近の政府報告書もこれを裏付ける傾向にある。加熱式タバコ製品は依然としてベイプ製品よりもリスクが高く、ギルクリスト氏が強調したように、ニコチン製品もリスクフリーではない。
加熱式タバコ製品の製造業者は、規制当局の認可を得るために、毒性試験で標準的な結果を示す標準製品を用意する必要があります。そのため、まずタバコは粉砕され(おそらく嗅ぎタバコのように)、紙のようなシート状に加工されます。そして、短いミニタバコに巻けるように、シート状に圧縮されます。
これを「吸う」には、加熱要素と温度調節器を組み合わせたデバイスに挿入します。このデバイスは自動車業界から借用した技術に基づいています。この要素がタバコを一定の温度に加熱するため、排出ガスは安定したレベルに保たれ、規制当局に安定したデータを提供することができます。
有毒ガスのほとんどはタバコの燃焼によって発生するため、タバコを加熱するとタバコのような効果が得られ、有害な影響は大幅に軽減されます。
それでも、本物のタバコを吸うよりはゴツゴツしているし、ほとんどの人は、反対側に短いホルダーのようなものが付いたミニタバコを吸うことに、特にクールだと感じることはないだろう。ある意味、これは10代の若者に手に取らせたくないという点で有利だ。では、ブロッコリー風味のベイプはどうだろう?いいアイデアだ。
加熱式タバコ製品は電子タバコよりも危険ですが、長期的には電子タバコの方が加熱式タバコよりも規制の対象となる可能性が逆説的に高いです。電子タバコを支えられるようなタバコ市場の枠組みは既に確立されていますが、電子タバコはまだ発展途上です。
FDAが懸念するように、フルーティーなフレーバーや可愛らしいパッケージが10代の若者の電子タバコ利用を誘発するのであれば、販売業者は取り締まりに直面することになるだろう。FDAは現在、メンソール入りタバコを10代の若者の喫煙を誘発するものとして禁止することを検討しており、もし禁止すれば、フレーバー付き電子タバコも標的となることは間違いないだろう。
一方、加熱式タバコは紙巻きタバコよりも安全で、その安全性は最大90%に達します。紙巻きタバコが合法である以上、加熱式タバコも合法化されるべきです。これら3種類のニコチン供給法はいずれも、10代の若者の普及に関する規制上の懸念に直面していますが、加熱式タバコは禁煙を目指す人々に最も受け入れられる可能性が高く、電子タバコは若者層に人気があるようです。
PMIは、自社製品は10代の若者や既に禁煙した人、あるいは非喫煙者をターゲットにしていないと主張している。しかし、少なくとも他の喫煙者の一部を取り込まずに、現喫煙者だけに製品を販売できるというのは、本当に信じられることなのだろうか?より現実的に考えると、規制当局がある程度は漏れることは避けられないと見なし、健康上のメリットでそれを補うだろうと踏んでいるのだろう。
米国保健福祉長官アレックス・アザー氏は次のように述べています。「燃焼式タバコは依然として米国における予防可能な死亡原因の第1位であり、電子タバコの使用をやめたい成人にとって効果的な出口を提供することは公衆衛生上の優先事項です。しかし、電子タバコが若い世代のニコチン中毒への入り口となることを許してはなりません。」したがって、「バランスの取れた政策アプローチ」が必要です。
これは、電子タバコに対するより厳しい、タバコと同様の規制と、リスク低減タバコに対する何らかの規制枠組みを意味します。しかし、大手タバコ会社が実際に、完全に、そして完全に禁煙するのはいつになるかは誰にもわかりません。®