ルリン彗星は今後数夜、地球から38メートルマイル以内に接近し、肉眼で見えるようになるが、天体観測者は「毛玉」程度しか見えないだろうと予想する。
NASAのガンマ線探査衛星「スウィフト」は、2007年に台湾の鹿林天文台の葉全志氏と林志勝氏によって発見されたこの天体が天空をゆっくりと移動する様子を監視しています。こちらは天秤座を通過する彗星です。スウィフトのデータと、星空の背景をとらえたデジタル・スカイ・サーベイ(DSS)の画像を組み合わせたものです。
ルリンは、太陽系の惑星や他のほとんどの天体が反時計回りに周回するのに対し、時計回りに太陽を周回するという点で珍しい。太陽に最も接近する準備をする中で、ルリンは「毎秒約800ガロン」の水を放出している。NASAの正確な数値によれば、これは「オリンピックサイズのプールを15分足らずで満たす」ほどの量だ。
この発見は、スウィフト宇宙望遠鏡の紫外線可視光線望遠鏡(UVOT)によるものです。UVOTは「水を直接見ることはできない」ものの、太陽の紫外線作用によって水に生成される水酸化分子(OH)を水素原子とともに捉えることができます。ルリンの場合、衛星は「地球と月の距離よりわずかに長い、約25万マイル(約40万キロメートル)にわたる」水酸化分子雲を検出しました。
ルリンを一目見たいと願う人々のために、テレグラフ紙は「北半球のほとんどの場所では、ルリンは真夜中過ぎ、空が高くなるときに最も見つけやすくなります」と説明しています。
しかし、SPACE.comのジョー・ラオ氏は同紙にこう語った。「あまり経験のない方には、畏敬の念を抱くようなものは期待しない方がいいでしょう。暗い空で肉眼で見ると、ルリンは薄暗くぼんやりとした『星』のように見えます。小型の望遠鏡で見ると、毛玉のように見えます…中心付近はやや明るく集中していますが、周辺はより拡散しています。彗星としては素晴らしいのですが、普段あまり見ない人は『それだけ?』と言うでしょう。経験豊富な観測者なら、『わあ、すごい!』と声を上げるかもしれません。」
ルリンの Swift 観測に関する詳細は、X 線望遠鏡からの追加データを含め、こちらでご覧いただけます。®