スペースXは昨日、ケープカナベラルからSES-9衛星を打ち上げるというミッションを再び失敗に終わったが、今回は「極端に高い高度での風のシア」が原因だとイーロン・マスク氏は述べた。
ファルコン9号の打ち上げ機にこのような風のせん断が影響を及ぼす可能性について疑問が生じないよう、マスク氏は「超音速で上昇する際には大きなハンマーに当たったような衝撃を受ける」と詳しく説明した。
SES-9ミッションは、SpaceXにとって最も厄介な問題となっている。先週の最初の打ち上げは悪天候により頓挫した。2回目の打ち上げはカウントダウン残り101秒で中止に追い込まれた。そして日曜日には、ファルコン9の搭載コンピューターが「低推力警報」を発し、点火直後に9基のマーリンエンジンを停止させた。
日曜日の打ち上げ中止は、大西洋の安全圏にタグボートが迷い込んだことが一因となった。この侵入により、ファルコン9の液体酸素(LOX)の温度が上昇し、打ち上げは35分遅れた。
2015年12月に行われたファルコン9 FTの最初の打ち上げ。写真:SpaceX
SES-9ファルコン9は、昨年12月に初飛行を行い、垂直着陸に成功した強化型「フルスラスト」モデルです。9基の第一段マーリンエンジンは、ケロシン(RP-1)と超冷却(-207℃)された液体酸素(LOX)を燃料としています。後者は標準的なLOXよりも密度が高いものの、超冷却状態での保管と維持は困難です。
ファルコン9 FTのRP-1も密度を高めるために約-7℃まで冷却されます。両方の燃料成分を冷却することで、より多くの推進剤を燃料タンクに詰め込み、リフターの性能向上したマーリンを駆動することが可能になります。
SpaceXは現在、液体酸素の温度、タグボートの不具合、そして強風の条件が許せば、金曜日に5回目のSES-9打ち上げを試みることを検討している。®