テスラは、機密の設計図を漏らして電気自動車メーカーを妨害しようとした張本人であるとして、ある男を訴えた。
本日、ネバダ州連邦地方裁判所に提出された訴状[PDF]には、一連のハッキングとデータ漏洩の容疑者として、テスラのネバダ・ギガファクトリー工場の元技術者、マーティン・トリップ氏の名前が記載されている。
これは、テスラの創業者イーロン・マスク氏が、テスラの自動車事業を妨害することを狙った大規模な内部攻撃の被害者だったと暴露した直後に起こった。
「テスラはトリップ氏の違法行為の全容を把握し始めたばかりだが、トリップ氏はこれまでに、テスラの製造オペレーティングシステム(MOS)をハッキングするソフトウェアを書いたこと、および数ギガバイトのテスラデータを外部の組織に転送したことを認めている」とテスラの訴状は主張している。
「これにはテスラの製造システムの機密写真やビデオが数十枚含まれている。」
感染
テスラの訴えによれば、トリップ容疑者は、同社が自動車用バッテリーを組み立てているネバダ州ギガファクトリーの3台の異なる機械にマルウェアを忍び込ませることができたという。
トリップ氏自身が作成したとされるこの悪質なソフトウェアは、テスラのネットワーク外に「数ギガバイト」の機密情報を収集し、エクスポートしていた。そこから、トリップ氏は匿名の第三者にデータを渡したとされている。
「彼のハッキングソフトはテスラの他の社員の3つの別々のコンピュータシステムで動作しており、彼が会社を去った後でもデータがエクスポートされ、それらの社員が誤って有罪とされることになるだろう」とテスラは主張した。
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テスラは、機密情報のハッキングに加え、トリップ氏が同社に不利な情報を捏造し、ジャーナリストに渡したとも主張している。
テスラの訴状によると、「トリップ氏は盗んだ情報についてメディアに虚偽の主張をした。例えば、車両やバッテリーなどにおいて、穴の開いたバッテリーセルが使用されたことは一度もないにもかかわらず、トリップ氏はモデル3の一部車両に穴の開いたバッテリーセルが使用されていたと主張した」という。
「トリップ氏はまた、テスラが製造工程で生成した『スクラップ』材料の実際の量と価値を大幅に誇張し、テスラが新しい製造設備の稼働開始を遅らせていると虚偽の主張をした。」
この訴訟は、テスラの工場の環境と車自体の安全性に関する好ましくない報道をめぐってマスク氏が数週間にわたりマスコミと争った後に起こった。
どうやら、この不名誉な報道の少なくとも一部はトリップ氏の責任であるとされており、テスラは報復としてトリップ氏から何らかの利益を得ようとしているようだ。
テスラは100万ドルの損害賠償請求に加え、トリップ氏の携帯電話、自宅のパソコン、電子メールアカウントを調査する許可を裁判官に求めており、「テスラの企業秘密がどの程度不法に持ち出され、他者に流布されたかを判断するため」だという。
トリップ氏はまだ裁判所に回答を提出しておらず、この事件の次回の審理の日程も決まっていない。®