テスラは、同社の「本質的に使用不可能で、明らかに危険」とされるオートパイロットシステムをめぐって法廷で和解に達した。
昨年、この自動車メーカーは、人間の監視下で半自動運転を可能にする「Enhanced Autopilot(拡張オートパイロット)」機能に関して、自社が設定した期限と目標を達成できなかったとして、米国で電気自動車の所有者から訴訟を起こされました。顧客はこの機能パッケージに5,000ドルを支払いましたが、新機能がアップデートされると説明されましたが、実際にはアップデートは行われませんでした。
今月初めに流出した和解案の草案では、法廷闘争を終わらせるために500万ドルが確保されることが明らかになった。つまり、システムの代金を支払った人は、キットを購入した時期に応じて20ドルから280ドルを受け取ることになる。
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しかし、「完全自動運転」パッケージのために5,000ドルに加えてさらに3,000ドルを支払った人たちは何も得られない。テスラは未達成の約束について期限を設けなかったからだ。
訴訟では、コロラド州のディーン・シェイク氏、フロリダ州のジョン・ケルナー氏、ニュージャージー州のトム・ミローネ氏の3人のオーナーが、テスラは守れないと分かっている約束をして実質的に彼らを騙したと主張したが、一方テスラ側は、単に展開のタイムラインについて楽観的すぎただけだと主張した。
実のところ、テスラは主張していた通りの成果を上げるのがはるかに困難だと悟った。これはテスラの業界では常々あるテーマだ。今回の遅延は、安全カメラのサプライヤーであるモービルアイとの大きな対立が大きな原因であり、モービルアイはテスラへの製品供給を今後一切拒否するに至った。
モービルアイは、テスラが自動運転技術を急速に進歩させすぎて人命を危険にさらしていると主張した。一方、テスラは、モービルアイが独自のカメラ技術の開発を決定したためテスラを罰しようとしていると主張した。
誇張しすぎ?
テスラのオートパイロットチームの主要メンバー数名が去ったことも状況を悪化させた。理由は不明だが、テスラとCEOのイーロン・マスク氏が同技術の能力を誇大宣伝していたことに不満を抱いていたのではないかと推測されている。
合意書は木曜日の夜遅くに裁判所に提出され、裁判官の承認を待っている。双方が調停に同意したのは、テスラ側が自らの過ちを認識していたものの、法的手続き(同社の技術や展開の詳細が明らかになる可能性があった)を望まなかったためとみられる。また、テスラは過剰な約束をすることで悪名高いため、詐欺行為の立証は困難だろうと車の所有者側も認識していたためだろう。
原告らの一見妥当と思われる要求の一つであるシステム費用の返金をテスラが拒否したことは注目に値する。これは同社が急速に資金不足に陥っていることのもう一つの兆候である。
テスラ社は和解に関して声明を発表し、同社らしいやり方で、素晴らしい仕事をしており、和解したのは「正しいこと」だからだと主張した。
今週初め、消費者擁護団体は連邦取引委員会(FTC)にも書簡を送り、テスラが「オートパイロット」という名称を、どう見てもオートパイロットではないものに「欺瞞的で誤解を招く」形で使用していることについて調査するよう要請した。
一方、テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は、オートパイロットシステムが原因と思われる自動車事故の報道について不満を述べ続けている。®