富士通SPARC、スマートフォン向け液体冷却を強化

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富士通SPARC、スマートフォン向け液体冷却を強化

富士通がM10ファミリーのSPARCサーバの密度を高めるために採用している技術の一つが、液冷です。同社のLiquid Loop Cooling(リキッドループクーリング)は、マザーボードの周囲に冷却液を循環させ、より効率的に熱を逃がす密閉システムを提供します。

富士通は、液体ループ冷却は非常に巧妙だと考えているが、ポンプを使用して冷却剤を移動させる方式は、ノートパソコンやスマートフォン、タブレット コンピューター内部のような狭いスペースでは機能しないことを認めている。その理由は、ポンプ用のスペースがなく、エネルギーを消費するものに対する許容度が低いためである。

富士通が「世界初、厚さ1ミリメートル未満のループヒートパイプ」と呼ぶこのループヒートパイプの登場です。このループヒートパイプは金属片のように見えますが(下図参照)、実際にはもっと複雑な構造になっています。富士通によると、この仕組みは以下のとおりです。

ループヒートパイプは、熱源から熱を吸収する蒸発器と、その熱を放散する凝縮器から構成される熱伝達装置です。この2つの部品はパイプでループ状に接続されています。この閉ループ内には、冷媒として作動流体が封入されています。熱源からの熱によって冷媒が蒸発し、冷媒の蒸発に必要なエネルギーが熱源から奪われることで、熱源の温度が下がります。これは、舗装道路に散水して熱を下げるのと同じ原理に基づいています。

富士通ループヒートパイプ

携帯電話の中に非常に細いパイプがあり、その中を液体が循環している – これで何が起きるでしょうか?

富士通は、この技術について「金属板をエッチングでパターン形成するため、モバイル機器の設計自由度が高く、機器ごとに配管レイアウトや熱伝達量をカスタマイズできる」としている。そのため、同社は「モバイル機器以外にも、通信インフラ、医療機器、ウェアラブル機器などへの応用も視野に入れており、2017年にはこうしたキットメーカー向けに実用化できると考えている」としている。®

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