強力なEU航空安全機関は、A350旅客機のパイロットが操縦室の精密電子機器の近くにコーヒーカップを置くことを禁止する正式な安全指令を発行した。
どうやら、航空会社のパイロットはカフェイン中毒になると、どうしても我慢できないようだ。EU航空安全局(EASA)は、エアバスに対し、繊細な操縦パネルにコーヒーをかけないよう以前から要請していたことを改めて正式に表明した。
昨日確認されたEASAの禁止措置は、A350のコックピット内に「液体禁止区域」を設け、実用的な「不注意による液体の流出があった場合に従う手順」を定めるという形をとっている。
EASAは、パイロットがカフェイン中毒を克服せず、飲み物をコントロールパネルにこぼすのをやめなければ、こぼれによって「(飛行中に)両エンジンが停止し、不時着して機体が損傷し、乗員が負傷する恐れがある」と警告した。
二人のパイロットの間のセンターコンソール付近には液体を置くことは禁止されている(ドミトリー・ビリン/シャッターストック)
航空業界誌「フライト・グローバル」は、コックピットコーヒーの提供禁止は、熱いコーヒーに浸かった制御パネルから「出力が不安定になった」後、液体がこぼれて飛行中にエンジンが停止するという2件の事故を受けて実施されたと報じた。同誌は「フライトレコーダーの解析により、高圧遮断弁の閉鎖指令が示された」と述べている。
1件はアメリカのデルタ航空、もう1件は韓国のアシアナ航空が関与したと推測されています。後者の事故では、コンソールに紅茶がこぼれました。フライト・グローバルによると、「エンジンは長時間作動し続けることはできなかった」とのことですが、パイロットは何度も試みましたが、停止したエンジンを再始動させることはできず、飛行を迂回せざるを得ませんでした。
A350のコックピットにあるマスターエンジンスイッチ(上の写真で右操縦士が握っているスロットルのすぐ下)は、コンピューターを介して各エンジンの高圧燃料遮断弁に接続されています。スイッチに液体をかけて短絡させると、複数の「エンジンオン/エンジンオフ」コマンドが次々と送信されるようです。
昨年、A330 機の機長は、大西洋の真ん中を飛行中に、機内の無線機に熱いコーヒーを注ぐと無線機が溶けてしまうことを発見しました。®