米国の検察当局は、ソフトウェア開発者が重要な鉄道輸送システムのコンピューターコードを持ってアメリカから中国に逃亡したと主張している。
シュードン・「ウィリアム」・ヤオは、シカゴに拠点を置く無名の機関車メーカーである元雇用主からソフトウェアの設計図を盗み、中国に渡り、自動車の監視、追跡、通信といった自動車テレマティクスを専門とする中国企業に就職したとされている。
ヤオ氏は、2015年に米国から脱出してから約2年後の2017年12月に米国政府により起訴された。起訴状[PDF]は、検察側が容疑を秘匿しておく理由はもはやないと認めたことを受け、今週木曜日に裁判所により公開された。
起訴状によると、57歳のヤオ被告は2014年8月、名前が伏せられた機関車製造会社にソフトウェアエンジニアとして入社し、入社直後から機密文書の収集を開始した。検察によると、入社からわずか数週間で、ヤオ被告は既に3,000件のファイルを集めており、その中には機関車の駆動に使用される制御システムソフトウェアのソースコードなど、雇用主の企業秘密が含まれていた。同時に、ヤオ被告は中国企業と接触し、雇用契約の交渉を行っていた。
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2015年2月、この事件とは無関係の理由で、ヤオ氏はシカゴの鉄道会社を解雇された。同月後半、彼は盗まれたファイルのコピーを作成し、他の企業で仕事を探そうとしたとFBIは主張している。伝えられるところによると、ヤオ氏は7月に中国を訪問し、前述の自動車テレマティクスプロバイダーとの雇用契約を締結したという。
同年11月、盗まれた文書の実際の運搬は、姚氏が鉄道会社の制御システムのソースコードのデジタルコピー9部など機密情報を携えてシカゴのオヘア国際空港から中国へ最後の便で飛び立った際に行われたと言われている。姚氏は現在も中国に住んでいると考えられている。
米検察はヤオ氏を企業秘密窃盗罪9件で起訴した。仮に米国に帰国して逮捕された場合、正式に起訴され、裁判にかけられることになる。
この事件は、米国に拠点を置く開発者やエンジニアが企業秘密を所持したまま中国に逃亡したという疑惑をめぐる数々の訴訟の一つです。3月には、元テスラのエンジニアが、マスク氏が率いる自動車メーカーから企業秘密を盗み出し、中国のライバル企業に持ち込む意図があったとして訴訟を起こされました。また昨年には、マイクロンのエンジニア3人が、中国に拠点を置く2つの企業のためにマイクロンから機密文書を盗んだとして起訴されました。®