SAPは、第2四半期の収益が前年同期比9パーセント増の90億ユーロ(105億5000万ドル)だったと報告した後、世界市場の不確実性を警告している。
欧州のアプリケーション大手は、6月30日までの3か月間の最新業績を発表し、営業利益が25億ユーロに上り、2024年の同四半期に比べて32%増加したと発表した。
しかし同社は、世界的な経済の不確実性が事業に影響を及ぼしており、特に現在のクラウドバックロードの増加に影響が出ていると述べた。クラウドバックロードは、2020年に初めて導入された、今後12か月間に認識される契約上約束された将来の収益を反映する業績指標である。
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投資家に対し、CEOのクリスチャン・クライン氏は次のように述べた。「不確実性の影響を受けているいくつかの業界では、顧客側での承認ワークフローの延長が見られる。例えば、米国の公共部門や関税の影響を受ける製造業などだ。」
ドナルド・トランプ米大統領は4月、新たな関税制度を導入した。申告関税の引き下げに向けた複数の合意が検討されているものの(日本との合意もその一つ)、世界で最も豊かな貿易圏であるEUとの合意など、未だ成立していないものもいくつかある。
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「年初には、現在のクラウド受注残が若干減速すると常に予想していたことを明確に述べました。年初に述べたことは、今や現実となりつつあり、計画にも織り込まれていました」とクライン氏は付け加え、SAPの第4四半期の好調は高いベースからのスタートを意味していると指摘した。
同氏は、予測には不確実性があり、予測には「いくつかの大型取引」が含まれているものの、「特に米国の公共部門や製造業など、顧客が関税の影響を受ける」分野もいくつかあると述べた。
クライン氏はまた、米国の公共支出の削減を担当する政府効率化省のDOGEによって、米国の公共部門への販売が「少し難しくなった」と指摘した。
TechMarketViewのリサーチディレクター、クレイグ・ウェントワース氏は、SAPはクラウド事業の継続的な加速と利益率の拡大により、昨年は好調だったと述べた。しかし、地政学的な動向や公共部門の動向については慎重な姿勢を示しており、同社の会計年度後半に向けて好調さが損なわれる可能性もあると指摘した。®