太陽は中年かもしれないが、数千年に一度、地球の宇宙船や電子機器を破壊するほどの稀なエネルギー爆発であるスーパーフレアを放出するエネルギーをまだ持っていると科学者らは警告している。
星の行動は予測不可能です。時折、太陽フレアやコロナ質量放出といった形で、プラズマ、粒子、放射線をランダムに放出します。これらの爆発は、通常の約1万倍のエネルギーを持つほど強力になり、スーパーフレアと分類されることもあります。
スーパーフレアは、若く活発な恒星から噴き出す現象としてよく見られます。これらの若い恒星は、地球の数日に1回転するほどの高速で自転し、最大10の36乗エルグのエネルギーを持つスーパーフレアを発生させます。ちなみに、私たちの太陽は毎秒約3.9×10の33乗エルグのエネルギーを放射しています。(1エルグは10の-7乗ジュールです。)
これまで、太陽のような古い恒星(年齢は46億歳)には、スーパーフレアを発生させる力はないと考えられてきたが、今週、米国コロラド大学ボルダー校が率いる研究者グループが、そうではないことを示した。
研究チームは、NASAの現在は退役したケプラー宇宙望遠鏡、欧州宇宙機関のガイア宇宙船、ニューメキシコ州のアパッチポイント天文台によって観測された数百の恒星からのスーパーフレアを研究した。
スーパーフレアのリストは太陽に似た主系列星43個に絞り込まれ、研究者らはスーパーフレアのエネルギーと星の特性を分析して、同様の星がこの種の爆発をどのくらいの頻度で放出しているかを推定した。
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研究者らは、太陽に似た、地球の25日に1回という遅い自転速度の恒星が、2,000年から3,000年に1回、5 x 10 34 erg以下のエネルギーを持つスーパーフレアを放出すると推定した。
「若い星は1週間に1回程度、スーパーフレアを起こします」と、天体物理学ジャーナル誌に掲載された今回の研究成果を論じた論文の筆頭著者で、カリフォルニア大学ボルダー校大気宇宙物理学研究所の研究員である野津雄太氏は述べた。「太陽の場合は、平均して数千年に1回です。」
過去には、スーパーフレアは少なくとも地球にとってそれほど大きな問題にはならなかった。しかし、もし今爆発すれば、高エネルギー放射線の津波が地球に襲来し、周回衛星を壊滅させ、地表のコンピューターやその他の電子回路を破壊し、社会を停電と暗闇に陥れる可能性があると彼は示唆した。
「1000年前にスーパーフレアが発生していたとしても、おそらく大した問題ではなかったでしょう」と野津氏は述べた。「人々は巨大なオーロラを見たかもしれません。しかし今では、電子機器の発達により、はるかに大きな問題になっています。」
野津氏は次のスーパーフレアがいつ発生するかは分かっていないものの、太陽がいつかは必ず発生するだろうと確信しているようだ。「私たちの研究は、スーパーフレアは稀な現象であることを示しています。しかし、今後100年ほどの間に、そのような現象を経験する可能性はあります。」®