AT&Tとタイム・ワーナーの850億ドルの巨額合併が完了する中、新たに勢いづいたコムキャストは、独自のメディア大型取引を推進している。
米国のケーブルテレビ大手コムキャストは水曜日、21世紀フォックスを650億ドルの現金で買収する提案を正式に発表した。この買収により、コムキャストは21世紀フォックスの発行済み株式すべてを1株35ドルで取得することになる。この価格は、フォックスが既にディズニーから提示している提示額を上回る。
コムキャストはフォックスをマードック一族から買収したい意向を隠していないが、合併が政府規制当局に承認されないのではないかという懸念から、実際に取引が成立する可能性は低くなっている。
昨日、米国の地方判事が司法省の判断を覆し、AT&Tとタイム・ワーナーの買収は独占禁止法上の懸念なく進められると宣言したことで、少なくともコムキャストにとってはそうした懸念は和らいだ。
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コムキャスト社は現在、この取引が前例となると信じ、21世紀フォックス社に自社の提案を慎重に検討するよう圧力をかけている。
コムキャストは新たな提案を発表する際に、「ディズニーの提案した取引の公開条件、およびSECに提出され、21CF取締役会の決定理由を説明した共同委任状/目論見書を検討した」と述べた。
「昨日のAT&T/タイム・ワーナー訴訟の判決、貴社の株主総会までの限られた時間、そして当社の強い継続的な関心を考慮し、取締役会が当社の以前の提案に対して表明した懸念に十分対処する、新たな全額現金による提案を提示できることを嬉しく思います。」
コムキャストは、株式取得に充当する650億ドルの現金に加え、合併が破談になった場合、25億ドルの逆解約条項を提示している。さらに、このケーブル大手は、チーム・ローデントの提案が拒否された場合、フォックスがディズニーに支払うべき15億2500万ドルの違約金を全額返済するとしている。
フォックスは7月10日にディズニーの買収提案に対する投票を行う予定だが、その際コムキャストは株主に対し買収提案を拒否し自社の提案を支持するよう求める予定だ。
コムキャストは「今後数日間で合意に達するために協力していく予定であり、これが予防措置に過ぎないことを願っている」と述べている。
コムキャストとフォックスの取引は、ケーブルテレビや衛星テレビのプロバイダーが大手ネットワークや放送局を買収する中で、米国のメディア市場における権力の集中に対する不安をさらに高めるだけだ。®