NASAの月探査機(LRO)による最新の測定結果によると、月にはこれまで考えられていたよりも多くの金属が含まれていることが示唆されている。
この結果は、地球の衛星が約45億年前、テイアという原始惑星と若い地球の激突によって誕生したという、広く受け入れられている説に反する。もしこの説が正しければ、月には地球とほぼ同じ鉱物の濃度が存在するはずだ。
しかし、LROの小型無線周波数(Mini-RF)装置で収集されたデータは、月の表面下が地球の組成に基づくこれまでの推定よりもはるかに金属的であることを示唆しています。Mini-RF装置は、物質の誘電率と真空の誘電率の比である誘電率を測定します。誘電率が高いほど、鉄やチタンの酸化物などの金属が存在することを示します。
ロサンゼルスの南カリフォルニア大学を率いる科学者たちは、隕石が月面に衝突した地点におけるミニRFの誘電率の測定値を調べたところ、衝突の深さが深いほど金属物質が多く含まれていることを発見しました。これは、月の一部の地域、特に衛星の北半球の暗い部分に、地球よりも多くの金属が含まれていることを示唆しています。おそらく、隕石による汚染は排除されたか、あるいは排除できるでしょう。
NASA、アストロボティックに1億9950万ドルを投じて水上探査機VIPERトランドルボットを月面に打ち上げる
続きを読む
「これは、これまでの形成仮説にとって何を意味するのかという疑問を本当に提起する」と、同大学のミニRF実験の共同研究者であり、水曜日の地球惑星科学レターズに掲載された研究結果を記した論文の主著者であるエッサム・ヘギー氏は述べた。
彼らの研究結果は、宇宙航空研究開発機構の月探査機「かぐや」を含む過去の宇宙船によって収集された金属酸化物のマップによっても裏付けられている。
「ミニRFのこの素晴らしい結果は、月での運用が11年を経た今でも、我々に最も近い隣人である月の古代史について新たな発見が続いていることを示している」とNASAゴダード宇宙飛行センターのLROプロジェクト科学者ノア・ペトロ氏は付け加えた。
「ミニRFデータは月面の特性を知る上で非常に貴重ですが、私たちはそのデータを使って45億年以上前に何が起こっていたのかを推測しています。」®