サーバーの後ろで密集するインスパーがトップ3の座に上り詰めた経緯

Table of Contents

サーバーの後ろで密集するインスパーがトップ3の座に上り詰めた経緯

分析ガートナー社の 2017 年第 3 四半期のサーバー トラッカーの数字の背後には、シスコのサーバー価格と、Inspur がトップ 3 サプライヤーとして登場したことに関する驚くべき事実が隠されています。

では、この表から何がわかるでしょうか?

ガートナー2017年3月期のサーバー数

Inspur が発表した Gartner の 2017 年第 3 四半期のサーバー数

インスパー

Inspurが3位にランクインしたのは驚きでした。なぜでしょうか?ガートナーは次のように述べています。「近年、Inspurは最も急成長を遂げているベンダーです。過去14四半期のうち、8四半期で世界最速の成長を記録しました。」

地域別に見ると、「中国のサーバー市場において、出荷台数上位3社はInspur、Dell EMC、Huaweiです。過去15四半期のうち、Inspurは9四半期で第1位を獲得しました。」

「中国は世界第2位のデータセンター機器市場であり、世界のサーバーおよびストレージ市場の中で最も高い成長率を誇っています。」

インスパーは、2017年上半期の北米における出荷量が前年比336%増を記録しました。欧州市場では、これまであまり存在感を示してこなかったものの、NEC(ドイツ)との戦略的提携を計画しており、世界最大級の自動車工場から受注を獲得したと発表しています。

Inspurはシスコ、レノボ、ファーウェイを追い越し、成長率で上回り、今四半期のサーバー出荷台数はシスコの2倍以上、レノボとファーウェイを大幅に上回っています。売上高と出荷台数の関係を見ると、Inspurの戦略は量販店戦略であり、国内市場における大きな優位性に基づいていることがわかります。

Inspurハイパースケール戦略

しかし、同社はハイパースケール顧客へのサーバー販売戦略も展開しており、その顧客の多くは中国に拠点を置いている。ガートナーは、「時価総額上位10社のインターネットテクノロジー企業のうち、5社が戦略的サプライヤーとしてインスパーを選定している。そのうち4社では、インスパーが最大のシェアを占めている」と述べている。

同社は共同設計製造(JDM)ビジネスモデルを採用しており、インスパーグループの副社長ピーター・ペン氏は「共同研究開発、サプライチェーン管理、生産、支払い、配送の協力的なビジネスプロセスにより、顧客との長期的なウィンウィン関係を実現している」と語る。

同社によると、JDMの導入により生産効率が30%向上し、大量注文の納期サイクルが15日から5~7日に短縮され、1日あたりのサーバー納入能力が1万台に増加するという。「研究開発から供給まで、新製品の最短サイクルは3ヶ月に短縮される」という。

これは、Dell や汎用 ODM サプライヤーにとって乗り越えるべき高いハードルであり、Inspur はこれに真っ向から挑戦することを目指しています。

サーバーASP

サーバーシステムの平均価格はどうでしょうか?ガートナーの売上高と出荷台数をグラフ化すると、シスコの売上高と出荷台数の違いが一目瞭然です。他のサプライヤーと比較すると、相対的な数値は比較的似ていますが、シスコはサーバー1台あたりの平均売上高がはるかに高くなっています。

また、セルフビルド/ODM セクターは、その他カテゴリと同様に、上位 6 つのサプライヤーに比べてサーバー 1 台あたりの収益がはるかに低いことがわかります。

ガートナー_2017年第3四半期_サーバー数

DellとHPEも他のサプライヤーと比較してサーバー1台あたりの価格を高く設定しているようですが、Ciscoの価格ははるかに高くなっています。上記のGartnerのデータを使用してサーバー1台あたりの平均システム価格を計算すると、このことがわかります。

サーバーあたりのASP Gartner 2017年第3四半期

CiscoはUCS*サーバー1台あたり、DellやHPEの2倍の料金を請求しています。DellがUCSサーバーを含むVxBlocksの出荷を好むのも不思議ではありません。サーバー1台あたりの利益率が高いに違いありません。

自社構築/ODMの価格はシスコの4分の1以下、DellやHPEのサーバーASPの半分以下です。こうした数字を見ると、Facebook、Amazon、その他のハイパースケーラーがODMを利用して自社サーバーを構築していることは驚くべきことでしょうか?

ハイパースケールデータセンターやクラウドデータセンターのサーバー利用が拡大するにつれ、HPのサーバー販売台数、ひいてはHPEのサーバー売上高は減少するでしょう。Dellは最近、サーバー市場からこの分野から撤退しましたが、依然として事業へのコミットメントは変わりません。

特に HPE が失敗した場合、中国の大手サーバー企業が、ハイパースケール サーバー市場だけでなく、一般サーバー市場においても Dell の主な競合相手になると予想されるため、Dell は Inspur の JDM モデルを模倣しようとするのではないかと思われます。®

ブートノート

*おそらく UCS は Unbelievably Costly Server (信じられないほど高価なサーバー) の略でしょう。

Discover More