英国サウサンプトン大学の科学者らが、ガラス、フェムトレーザー、そして数十億年の寿命を利用した5次元ストレージ方式を考案したという。
同大学のオプトエレクトロニクス研究センター(ORC)のマーティナス・ベレスナ氏が率いる研究者らは、10億分の1秒(100万分の1秒)に相当するフェムト秒の光パルスを使って、ナノ構造の溶融石英ガラスに5次元フォトニック構造を構築した。
データは、5マイクロメートル(1メートルの100万分の1)間隔で3層のナノ構造ドット(ボクセル)に書き込まれます。
ボクセルは光渦であり、ナノ格子を使用した偏光渦です。研究者による論文「フェムト秒レーザーによるガラスのナノ構造化で作成された放射状偏光光渦コンバーター」では、その仕組みについて説明しています。
...シリカガラス内の空間可変自己組織化形状複屈折のフェムト秒レーザーインプリントを使用して、円偏光ビームから放射状または方位角方向に偏光した可視渦を生成する偏光渦変換器を実証します。
フェムトレーザーパルスがガラスに当たると、偏光渦が発生し、光がガラスを通過する方向が変わり、偏光が変化します。この偏光は、光学顕微鏡と偏光子を組み合わせた装置で検出できます。
3 層ナノ構造ドットボクセルの寸法は、長さ、幅、深さ、サイズ、および方向です。
この技術を使用した光ディスクは、190℃で138億年間、360TBのデータを保存できると言われており、これは室温では事実上無制限の寿命を意味します。
5Dボクセル製造プロセスキット。画像をクリックすると(やや退屈な)ビデオが再生されます。
データは書き込み、消去、書き換えが可能であり、防水性のガラス媒体に保存した場合、数十億年の寿命が期待できるため、アーカイブのユースケースにとって魅力的である可能性があります。
リトアニアのレーザー光学会社アルテクナは、この技術の商業化に取り組んでいる。
研究者らは、2月17日水曜日に米国サンフランシスコで開催される国際光工学会議において、「ガラスへの超高速レーザー書き込みによる5Dデータストレージ」という論文を発表する予定です。®