米国の国家安全保障顧問が英国のボリス・ジョンソン首相に対し、英国の5Gモバイルネットワークにファーウェイの機器を使うのは「まさに狂気の沙汰」だと語ったと報じられている。
今朝の報道によると、マット・ポッティンジャー国家安全保障担当副大統領補佐官、クリス・フォード外務次官、ロバート・ブレア特使、その他3名からなる米国代表団が昨日ロンドンに到着し、英国当局者に詳細不明の「情報」を手渡した。
代表団は、英国にファーウェイを締め出すよう説得するほどこの情報の何が重要なのかを公に説明することを拒否した。
代表団の一人はガーディアン紙に「ドナルド・トランプが注視している」と語ったが、一方で当局者は、英国が5Gに中国企業を選択した場合、英国との諜報情報共有を減らすと警告したとも報じられている。これは、昨日リスクについて肩をすくめた英国諜報機関の長官、アンドリュー・パーカー卿の発言と完全に矛盾している。
こうした既知のリスクは2つある。1つは英国のファーウェイサイバーセキュリティ評価センター(HCSEC)が昨年明らかにしたように、ファーウェイのコーディング慣行がひどいこと。もう1つは、ファーウェイやファーウェイの社員が、おそらく英国の通信ネットワーク上でスパイ活動を行ったり、サービス拒否攻撃に協力したりすることで、中国政府に奉仕するために自社の製品知識を悪用せざるを得なくなるのではないかという、常に付きまとう懸念だ。
政府のスパイ活動に最適なネットワーク機器に隠された秘密のバックドアが発見される:中国製…いや、待てよ、またシスコ製か
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米国は長年、ファーウェイが通信の安全保障に対する脅威であると主張してきたが、過去数十年にわたる米国の諜報機関の活動が十分に記録されていることを考えると、これは根拠のない懸念に思える。米国の諜報機関が、世界中の会話への秘密裏のアクセスが中国の盗聴者にも利用され、米国の優位性に対する新たな脅威となることを懸念している可能性も否定できない。
ファーウェイはシスコなどの米国企業向けテクノロジーブランドに代わる低価格の選択肢を提供し、また西側諸国の5Gネットワーク製品よりもおそらく優れたテクノロジーを提供していることから、米国政府が業界のために猛烈にロビー活動を行っているのも不思議ではない。
米国の懸念にもかかわらず、ファーウェイがもたらすとされる技術的脅威は、いずれも公表されていない。HCSECが収集したような証拠がなければ、米国の残存する異議申し立ては、傍観者から見れば主に政治的な問題に映る可能性がある。
ファーウェイの英国支部長、ビクター・チャン氏は、定型的な声明で次のように述べた。「英国政府は、根拠のない主張ではなく、証拠に基づいて決定を下すと確信しています。英国議会の2つの委員会は、当社への5G機器の供給を禁止する技術的な理由はないと結論付けており、今週、英国情報機関MI5の長官は、英国がファーウェイの技術を使い続けた場合、英国と米国の情報共有関係が損なわれると『考える理由はない』と述べました。」®