IDC の四半期ストレージ トラッカーによると、NetApp は 3 四半期連続でディスク ストレージ販売の市場シェアを失っている一方で、EMC は急成長を遂げています。
IDCの四半期ストレージトラッカーは、外付けディスク(ネットワークアレイ)の販売実績に加え、サーバー接続ディスクも含むディスクストレージ全体の販売実績も測定しています。IDCは先日、2011年第4四半期および通期の業績を発表しました。IDCは次のように述べています。
2011年第4四半期(4Q11)の世界の外付けディスクストレージシステム工場の売上高は、前年同期比7.7%増の66億ドル弱となりました。この四半期、ディスクストレージシステム市場全体の売上高は85億ドル強に成長し、前年同期比3.5%増となりました。ディスクストレージシステムの総出荷容量は6,279ペタバイトに達し、前年同期比22.4%増加しました。
下記の IDC チャートが示すように、年間比較では、NetApp は 2010 年第 4 四半期と比較して 2011 年第 4 四半期に市場シェアを拡大しました。
IDCチャート
IDC の年間ストレージ トラッカーの数字にも、NetApp の収益シェア増加の同様の図が示されています。
- NetAppの2011年の収益 – 29億1100万ドル
- NetAppの2010年の収益 - 23億5200万ドル
しかし、四半期ごとの外付けディスク収益市場シェア率の推移を見ると、IDC の測定によると、NetApp は着実に市場シェアを失っていることがわかります。
IDCの数字
Dell は、外付けディスク ストレージの売上が非常に低迷しているため、ここ数四半期、IDC によって「その他」カテゴリに分類されています。
IDC の四半期ディスク ストレージ総収益市場シェア数値には、サーバー接続ストレージが含まれているため、サーバー ベンダーの観点からより現実的な状況が示されています。
IDCの数字
NetAppの数字はもちろん変化がなく、EMCも同様です。Dellの数字は大幅に改善しています。HPは直近2四半期で業績が悪化しています。IBMは直近2四半期で大幅な成長を遂げており、日立データシステムズは現在「その他」カテゴリーに分類されています。ただし、NetAppとは異なり、日立データシステムズの直近2四半期では外部ストレージの売上が伸びています。
IBM、NetApp、HP、EMC の外部ストレージの数字を抽出し、折れ線グラフ化すると、NetApp の衰退がより明確になります。
IDCの数字
NetAppの四半期売上高は、前四半期比で着実な増加を示しています。同社の売上高は四半期ごとに増加しています。(グラフは左から右へ)
NetApp の四半期収益と利益。
問題は、他のサプライヤーの売上高の伸びが加速している一方で、NetAppは売上高ベースで市場シェアを失っていることです。IDCの四半期ディスクストレージ総数のグラフを見ると、このことがはっきりと分かります。
これはどういう意味ですか?
これは、NetAppの売上高は伸びているものの、ディスクストレージ市場全体の成長速度が速く、NetAppが後れを取っていることを示しています。EMCは最も成長しており、着実かつ大幅な成長を遂げています。IBMは回復基調にあります。Dellは持ちこたえていますが、HPの売上高市場シェアはNetAppよりも急激に低下しています。しかし、Dellのサーバー接続ストレージ売上高が市場シェアの縮小要因となると予想されますが、NetAppにはその要因がありません。
基本的に、NetAppがData Domainを買収できていれば、ディスクストレージ市場シェアをはるかに拡大できたはずです。ところが、EMCがData Domainを買収し、EMCは力強い成長を続けています。一方、重複排除機能を備えたディスクツーディスク/仮想テープライブラリ製品を持たないNetAppは、低迷しています。
Spinnaker買収によるスケールアウト・クラスタリング技術をNetAppのONTAPオペレーティングシステムに統合するのに非常に長い時間を要したことも、この状況を悪化させている要因の一つとなっていると考えられます。また、EMCによるIsilonの買収とそのスケールアウト・ファイラー技術によって、その成長効果は限定的なものになりそうです。EMCはまた、フラッシュ、特にサーバー設置型フラッシュに関して、より積極的な姿勢を公に示しています。
もちろん、NetApp もストレージ ソフトウェアを製造していますが、ここでも収益は減少傾向にあります。
NetAppによるEngenioの買収は、NetAppのディスクストレージ収益市場シェアのトレンドにはまだ変化をもたらしていません。NetAppが、小規模な「タックイン」買収ではなく、成長著しいストレージスタートアップ企業の買収など、何らかの形で成長を加速させない限り、ディスクストレージ業界の二番煎じになるリスクを負っていると言えるでしょう。®