英国政府は、雇用を守り、中立的なビジネスモデルを守り、ケンブリッジに本社を置き続けるために、英国の半導体設計会社ArmをNvidiaに310億ポンドで売却する計画に法的保護を加えるよう求められている。
ケンブリッジ選出のダニエル・ザイクナー議員は、昨夜深夜に議会で演説し、2016年にアームが日本の複合企業ソフトバンクに売却された際、英国に残る数少ないテクノロジー大手の一つであるアームの売却は極めて重要であったため、財務長官が主導権を握り、売却に関する法的保護を確保したと指摘した。ザイクナー議員は、現政権にも同様の対応を求めた。
「政府の沈黙は不吉だ」とザイヒナー氏は警告した。「(議員の質問に対する)実質的な回答はほとんど得られていない」。さらに、NVIDIAが行った「約束」に法的保護を加えないことで「英国の影響力を放棄するつもりだとしたら、驚くべきことだ」と付け加えた。
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「彼らは約束をしたが、法的保証がなければ、それは単なる約束に過ぎない」と彼は指摘した。
英国で2番目に大きな労働組合であるユニテは、売却によって最大1,100人の雇用が失われる可能性があると警告している。ユニテの一部組合員は月曜日にザイクナー氏と面会し、「アームの経営陣は従業員の協議を無視して、事業と従業員に損害を与えるような売却を強行しようとしている」と懸念を表明した。
ユニテは、NVIDIAが雇用維持を約束しているものの、その約束は補助的な職務(約600人)や、NVIDIAのコア事業であるGPU設計と重複する500人の従業員を抱えるArmのグラフィックスプロセッサ部門には適用されないと指摘した。組合は、NVIDIAがArmのブランドとモデルを維持しながらArmの事業を統合した場合、これらの雇用が失われる可能性があると警告した。
無視された
Armのスタッフによれば、売却提案について初めて知ったのは報道機関を通じてだったという。これは上場企業では珍しいことではない。彼らは数時間後に社内会議で懸念を表明したが、取引は規制当局の承認を待っているため18カ月間は何も起こらないと「ごまかされた」という。
アーム社は3,000人の従業員を雇用しているが、労働組合に加入しているのは少数であり、ザイヒナー氏は議会で、法的保護がなければこれらの労働者は危険にさらされると述べた。
ザイクナー氏、ユナイト氏、その他多くの政治家は、アメリカの巨大企業による買収によってアーム社がトランプ大統領の中国との貿易戦争に巻き込まれ、アーム社の中立性と中国顧客の喪失につながる可能性も懸念している。
これに対し、デジタル・文化大臣のカロリーヌ・ディネナージュ議員は、提案されているアームとの取引そのものについては何も語らず、政府はそうした取引を「非常に綿密に監視し、適切な措置を講じる」という一般論を述べた。
彼女は、政府が従うべきプロセスを概説した。まず、売却に公共の利益の側面があるかどうかを判断し、そうであれば介入を発令し、その後、競争・市場庁(CMA)が取引を審査し、その結果をデジタル・文化・メディア・スポーツ大臣のオリバー・ダウンデン議員に送付することになる。
その時点で、ダウンデン氏は英国政府が介入すべきかどうかを決定するだろうと彼女は語った。
スパイキー
政府大臣が眠そうな表情で答えたのに対し、ユナイトははるかに辛辣な態度で買収の却下を要求した。
「アーム社の従業員の懸念、そして政治家や業界から鳴り響く警鐘は、政府が国益のためにこの契約を破棄するのに十分な理由となるはずだ」と、同組合の情報技術担当全国役員ルイザ・ブル氏は語った。
「英国でアップルのような企業が台頭するという野望は素晴らしい」と彼女は付け加え、ブレグジット後に英国の1兆ドル規模のハイテク大手を育成するというドミニク・カミングス氏の夢に言及した。
「政府による統一した産業戦略がなければ、我々は他国に追い抜かれてしまうというのが現実だ。」
「こうした産業戦略には、英国のテクノロジー業界の至宝であるアーム社の保護と、英国の年間2920億ポンドの公共調達予算が英国の製造業とそれに伴う雇用の支援に充てられるよう確保することが含まれなければならない。」®