天文学者たちは初めて、直径3万光年以上に及び若い銀河を包み込む、太古の巨大な炭素イオンの雲を発見した。
デンマークのコペンハーゲン大学の錚々たる研究者、藤本誠治氏が率いる研究チームは、このような構造が存在することすら知りませんでした。なぜなら、理論上は予測されていなかったからです。生命にとって最も重要な元素の一つである炭素が恒星の核融合反応によって生成されることはよく知られていますが、それが宇宙空間にどのように拡散するのかは、科学者たちには全く分かっていませんでした。
今回、地球から約128億光年離れた場所で発見されたこれらの雲は、研究チームが「環境汚染」と呼んでいる現象を初めて裏付けるものとなった。
「恒星の寿命の最終段階で起こる超新星爆発により、恒星内部で形成された重元素が放出される」と、月曜の天体物理学ジャーナルに掲載された超新星形成に関する研究論文の共著者で、欧州南天天文台の科学ディレクター、ロブ・アイヴィソン氏は述べた。
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「銀河中心の超大質量ブラックホールから放出される高エネルギーのジェットと放射線は、炭素を銀河の外へ、そして最終的には宇宙全体に輸送するのにも役立っている可能性があります。私たちは、この進行中の拡散プロセス、つまり宇宙における最も初期の環境汚染を目撃しているのです。」
研究者たちは、チリのアタカマ大型ミリ波干渉計(ALMA)で記録されたデータを解析した結果、荷電炭素イオンの巨大な集合体を発見した。「私たちはALMAサイエンスアーカイブを徹底的に調査し、ビッグバンからわずか10億年後の初期宇宙における銀河の炭素イオンからの電波信号を含むすべてのデータを収集しました」と、研究論文の筆頭著者である藤本氏は述べた。
電波信号によって、彼らはまだ星形成過程にある若い銀河団の周囲に雲を発見した。銀河を取り囲む炭素イオンは、銀河自体の星から生成されたものではない。研究者たちは、それらはビッグバン後間もなく形成された初期の銀河の他の星から作られた原子の残骸であると考えている。
拡散した炭素イオンの群れは、半径3万光年を超える巨大な繭のように銀河を取り囲んでいます。研究チームはこの雲のエネルギー源が何なのかはっきりとは分かっていませんが、周囲の衛星銀河、あるいは活動銀河核が炭素原子を電離させて宇宙空間に放出している可能性を示唆しています。®