中国の西北工業大学は先週、極超音速機を飛行させ、その実験で世界初の偉業を達成したと主張した。
同大学は、この飛行機を「飛天2号」と名付け、中国メディアによると、試験飛行ではマッハ12(時速14,800キロまたは時速9,200マイル)に達したという。これは、極超音速飛行を表すとされるマッハ5を大幅に上回る速度だ。
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中国メディアは、ロケットとラムジェットを1つのユニットに統合したという大学の主張を繰り返す以外、飛天2号の大きさや能力については詳しく報じていない。
読者の皆様は、ロケットは燃料と酸化剤を搭載し、点火すると高温のガスを噴出させて推力を発生させるという仕組みをよくご存知でしょう。一方、ラムジェットは燃料のみを搭載します。これは、ジェットエンジンに流入する空気が圧縮されて酸化剤として機能するためです。
ロケットとラムジェットを一つの機体に組み合わせるのは容易ではありません。ある推進方式から別の推進方式に切り替えるのは、さらに困難です。
同大学と中国メディアは、飛天2号は高速飛行に伴う過酷なストレスに対処しながら、ロケットからラムジェットに切り替えながら自律飛行したと主張している。
発射台に置かれた飛天2号極超音速機 - クリックして拡大
この試験が重要なのは、米国議会予算局が2023年に明らかにしたように、仮想的な極超音速ミサイルは「その最終標的が何なのかについて不確実性を生み出す可能性がある。低い飛行姿勢のため長距離レーダーの探知範囲より下に位置し追跡が困難であり、滑空しながら機動する能力があるため進路を予測不可能にする」ためである。
「極超音速兵器は、標的付近の短距離防衛に対抗するため、予測不能な高速移動も可能で、追跡や迎撃が困難になる」と国防総省は指摘した。
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米国は独自の極超音速ミサイルの開発に取り組んでいるが、その理由の一つは中国とロシアも同様のことを行っていると考えているためだ。
ワシントンは北京が極超音速兵器を開発していることを非常に懸念しており、トランプ政権は、さらに27の中国組織に対し、AIや高度なコンピューティング技術の米国サプライヤーとの取引を禁止する理由の1つとしてその可能性を挙げた。
したがって、飛天2号の飛行は、米国の禁止にもかかわらず中国が先進技術を開発する能力をさらに実証するものとなった。®